Easy going and then? (楽ばかりしていると後に何が起きるか?)

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「嫌なことは後回し」!
これが経済に限らず総て今日の世界の傾向である。
南欧諸国のBail out(金融救済)に伴う財政・税制条件、アメリカの赤字削と赤字国債上限議会承認、先進国の通貨安競争、新興国の構造改革、、等々すべきことをしないで先送りしている。
民主国家または、民主国家の形態をとっている国家は国会(議会)が最高意志決定機関であり国会は国民の声を聞かざるを得ないので国民が嫌がる事が出来ない。だから南欧諸国では財政緊縮や増税の条件を国会で承認していながら実行出来ず先送りを繰り返している。
アメリカは2012年の赤字国債上限の議会承認の条件であった赤字削減を骨抜きにしたところへ、さらに今年度の赤字国債増額の条件が追いかけてくる。新興国は外需依存から内需依存に構造改革を急がないと先進国の経済成長が止まり、「下山の哲学時代」になって来ると共倒れの危険があるにもかかわらず相変わらず低賃金に依存して「他力本願」で、かつての日本のように創造性に活路を求めようとしない。日本でさえ「万年ゼロ成長」と「万年デフレ」という「下山の哲学時代」のあるべき姿に堪えられずFRBと同じEasy goingの異次元金融緩和に走ってしまった。

Easy goingに走り、問題を先送りにしている最大の原因は民主主義である。国民にすべからく平等に一票を与えて良かった時代から良くない時代になってきたことを考える時が来ている。
しかし現実問題として有権者と政治家の資格試験をする法案を通すことは不可能だから、「下山の哲学」の基に国家経済と政治が破綻に追い込まれることが必要なのである。南欧諸国を財政破綻に追い込むことで経済主権を放棄させ欧州財政統合を計ろうとしているのと同じ発想である。
私は本年9月後半の暴落は来年9月の超大暴落の前哨戦と見ている。
国家として、国民として成すべきことが出来ないで破綻することの代償が誰もが好む民主主義とは皮肉なものである。

 

*本日「増田俊男の目からウロコのインターネット・セミナー」があります。今後の株価、為替、金価格についてです。
*本誌の「協賛金」(1口3000円)をお支払い下さった皆様にお送りする「増田俊男の欧州特別レポート」はただ今欧州で執筆中です。8月後半にロンドン、NYで重要人物に会った後原稿を日本に送るので発送は9月になると思われます。「欧州経済の中身(真実)を知ればFRBの意志決定も暴落の時期も分かります」。
*CDは7月26日、日本向けにフランスから送ったのですが、パリの郵便局の不始末で一週間も遅れたので発送は今週末頃になります。

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