オバマ・プーチン阿吽の呼吸

「小冊子」(Vol.73)でオバマ大統領とCIA、ペンタゴン(国防総省)の関係は水と油だと述べ、米軍総司令官であるオバマ大統領が中東の米軍に1年半も前からIS(イスラム国)の壊滅を命じてもISはシリアでの支配地ばかりかイラクまでその勢力範囲を拡大した。私はたびたびキャピトル・ヒルズ(ワシントンDC)の防衛会議で衛星から送られる映像でISとシリア軍の動きをリアル・タイムで見たことがある。米軍がその気になれば短期間でISを壊滅出来ることは誰にでもわかっている。何故米軍がISを壊滅出来なかったかの理由は、表向きはISを攻撃しているように見せかけながら、攻撃予定情報をCIAがISに事前に知らせ、かつシリア政府軍の動きを与えていたからである。
さらに米議会承認のもとにシリア政府軍と戦っていることになっている穏健派シリア自由軍に武器弾薬並びにトルコで兵士の訓練をして支えていることになっていた。実際は武器、兵隊さらに軍資金はトルコからシリアとの国境アレッポに運ばれ東部を支配しているISと西部支配のアルカイダ(ヌスラ戦線)に与えられていた。
CIAもペンタゴンもアメリカの軍産複合体の利益代表だからIS強化により中東で戦火が拡大し軍需拡大になれば任務達成となる。
オバマ大統領は大統領選に臨む前から、軍産複合体の利益の為に中東で300兆円以上を使い4,000人以上の米兵と40万人を超える現地人を犠牲にしていることは何としても止めなくてはならないと考えていた。
これがオバマ大統領就任以来のオバマ大統領とCIA、ペンタゴンの相違である。
オバマ大統領は軍産複合体を廃止することは出来ないからISを潰すしかない。ケリー国務長官は年初からプーチン大統領に接しオバマ大統領の立場を説明してきた。プーチン大統領はロシアの兵器市場を中東に拡大するまたとないチャンスと受け止めオバマ大統領が希望する通り国連総会でIS撲滅宣言後翌日(10月3日)からシリアのアレッポ東部(IS支配)と西部(アルカイダ支配)を重点的に空爆、一方イラン正規軍が陸上に投入された。アレッポが陥落すれば勝負は着いたことになる。アメリカは50万トンの兵器を反シリア穏健組織自由シリアに与えると発表。つまりISとアルカイダに兵器を与えてロシア・イランと戦わせようということ。ところが10月20日アサド大統領はロシアを訪問、シリア政権存続が確保されたことに感謝した。このことはアレッポのISとアルカイダが陥落することが確実になったことを意味する。オバマ大統領がアサド政権は認めないと言い、又ロシアがIS以外のシリア反政府軍(アルカイダ)を攻撃していると批判すると、プーチンは返す刀でアメリカは二枚舌で「裏でISとアルカイダを支援している」と反論した。
もしオバマ大統領がCIAとペンタゴンのダブル・ゲームを批判しようとするなら行動に移る前に消されるだろう。だからオバマ大統領に代わってプーチン大統領が暴いてくれたのである。ロシア・イランが中東に覇権を伸ばせばロシアの兵器市場が中東に出来ることになる。世界政治の主役は常に兵器産業であって、どこの国であれ政治家は総てプレーヤーでしかないことを知るべきである。
詳しくは80ページ以上に及ぶ「小冊子」(Vol.73)をお読みください。

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