「金を見ていると世界がわかる」!

とは今週6日(金)に発送を間に合わすべく今印刷を急いでいる「小冊子」(Vol.49)の副題である。
第2四半期(4‐6月)の世界の金の実需(宝飾品、工業用等)は前年同期比で37%増(576トン)、金塊や金貨の前年同期比は78%増。世界の金の2大消費国の中国の宝飾品等の前年同期比は54%増、インドは51%増でいずれも歴史的な金需要の伸びであった。又金塊と金貨では中国は157%、インドは116%と過去最高水準である。一方世界の金の供給量は今年になって年平均で6%の減産だから需給の甚だしいギャップで金価格は暴騰しなくてはならなかった。
ところが同期の4月12日(金)と15日(月)の2日間でNY金のスポット価格は1,500ドル台から一気に200ドル以上下げる歴史的大暴落となった。
下げは続き6月末には1,180ドルまで下げた。何故暴騰すべきが暴落なのか。
全く市場原理の正反対になったのには訳があった。本誌で「金についての決定的なことを私のインターネット・セミナーでお話しします」と述べたが、放送予定日を1日延ばさねばならなくなった。欧州のエージェント(としておきます)に確認をしておかねばならないことがあったからだ。結局放送では「もう安心して金を買っていいですよ」いうことになったが当日からNY金は1,400ドル突破した。今回の一部始終はすべてManipulationと言って「価格操作」の成せる技である。仕組んだグループはこの短期間で推定$1.2 trillion(約120兆円)ほど利益を出したことが分かっている。

本年年初ほとんどすべての銀行や証券会社、アナリストは、金は2,000ドルになる、3,000ドルになる、さらには5,000ドルになると言っていた。
私は黒田異次元金融緩和がFRBの緩和縮小と出口による資金減を補完する目的でることを知っていたので、4月4日の黒田日銀総裁の記者会見が終わると同時にFRB(連邦準備理事会)、ECB(欧州中央銀行)、さらにはBOE(UKの中央銀行)の関係筋を当たった。FRBは日銀の資金補完の保証を得たので緩和縮小・出口の情報をどのようにリークするか検討していた。非公式に連銀総裁から「軽いタッチ」で縮小論を述べることになり、4月12日から始めることになった。そこへ私の欧州のエージェントから「行くぞ!」のメッセージが来た。「緩和縮小・出口=ドル高」を利用して一気に金にプット(売り)を掛ける作戦である。不意を突かれた買い玉の売りが売りを呼び落ちるところまで落ちたのである。ゴールドマン・サックスだけが私より一瞬早く「上客」だけに「金が1,300ドル台に下がると」という緊急メッセージを送っていた。
その後は言うまでも無いことである。

来年の話になるが、やはり同じ9月になるが、今度は一欧州グループ等の仕掛けとはわけが違う。日本はもとより世界がひっくり返るだろう。しかし日本にはいいことなのである。詳しくは、「増田俊男の特別レポート」をご参照ください。
本レポートは9月24日から発送開始の予定でしたが、それでは遅過ぎるので9月20日(金)までに予定を早めることにしました。
「金は2,400ドルになる」ことをお忘れなく。

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