現実的誇りを持とうではないか

米国経済も米国民のムードも5年半にわたる金融緩和(カンフル剤)効果で良好である。ドルは国際通貨で世界のカネだからFRBの金融緩和は世界のマネーの増加、だから効果は世界に及ぶ。
5年前に比べれば世界中どこでも幸せそうな顔は増えたし、贅沢話も多く聞かれるようになった。アメリカ(FRB)が年内緩和縮小と出口模索になると世界に出回っていた世界の通貨(ドル)が故郷(アメリカ)に里帰りとなる。この流れは昨年5月バーナンキFRB議長が緩和縮小の可能性についての議会証言を行って以来続いている。
私の「下り坂哲学」で明らかなように先進国の経済成長は望めないから緩和資金というカンフル剤は引退(成長停止)している老人(先進国)に空元気を与えるに過ぎない。カンフル剤(金融緩和)がなくなると空元気の疲れで心臓麻痺(債券市場混乱)や心筋梗塞(株価暴落)が起きる。
空元気の時間が長いだけ闘病生活(不況期間)が長くなる。
世界で最も高齢であった日本は最後の最後まで頑張ってカンフル剤注射(緩和策導入)を避けてきたが、ついに周り(アメリカ)の誘惑に負けて、こともあろうにFRBの三倍量の異次元カンフル剤を老人に飲ませてしまった。アメリカは今やカンフル剤の量(緩和量)を少しずつ減らして老人の心臓麻痺や心筋梗塞を防ごうとしているのに日本はカンフル剤をお年寄りに見境なく飲ませ続けている。
アメリカは緩和政策で成長市場に資金(ドル)を押し出し、資金を2倍にも3倍にも肥らせて(増大化して)帰国の途に向かわせている。中国もブラジルもインドも2008年以来一体誰のための経済成長であったのか今になって分かった筈。
このようにFRBの緩和策により世界にばら撒いた緩和資金は大きく肥って続々と故郷(アメリカ)に帰っている。今5年半にわたって行ったFRBの金融緩和政策は大成功のうちに幕を閉じようとしている。アメリカより5年遅れてFRBに追従した日本(日銀)。新興国から余剰緩和資金(ドル)が去る穴を埋めるためにアメリカ(FRB)より5年遅れて始まった異次元金融緩和。日本は円を売って出稼ぎ目的でドルを買い(ドル高・円安)新興国に直接投資をしてきたがアメリカのように里子(緩和資金)を肥らせて本家(日本)に呼び戻すことが出来るだろうか。間違いなく日本の里子が帰ってくることはないだろう。アメリカのように世界を手玉に取る感覚と発想は日本にはほどほど遠いからだ。私の最大の責任は読者の皆様の「経済的繁栄と政治的誇り」にある。アメリカに利用される前にアメリカを唸らせることで逆にアメリカを利用して巨万の利益を得ようではないか。そうして堂々と日本人としての誇りを持たなくては天皇陛下とご先祖様たちに申し訳ない。今その実践が今始まった!

201401-Vol.53

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