日米安保の本音と建前

今「小冊子」Vol.104の執筆中である。
「日米安保は日本の安全の要」は日本の「常識」であり「確信」である。
日本の安全にとって最も重要なのは第五条。曰く、「日米両国の日本における、(日米)いずれか一方に対する攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであると確認した時、両国はそれぞれの憲法や手続に従い共通の危機に対処し行動することを宣言する」。
オバマ前大統領もトランプ大統領も「尖閣諸島が武力攻撃を受けた時は日米安保第五条が適用される」と公言し声明文に署名している。
「尖閣諸島が中国に攻撃されたらアメリカが攻撃されたとみなす」は米国務省(日本の外務省)の公式見解である。
日米安保に関する現職の大統領と安全保障担当高官たちの見解は総じて上記の通りである。
ところが彼らが現職を離れると対日安保見解が正反対になる。
大統領選でトランプを支持したキッシンジャー元国務長官は、「日米安保は日本の軍国化を防止する為の、いわば「瓶の蓋」である」と述べ、さらに核の抑止力について、「同盟国(日本)に核の傘を保障する為に自殺行為をするわけがない」、「日本が信じているアメリカの核の傘(核抑止力)は空想である」と述べている。ディック・チェイニーは国防長官の現職時代の議会証言で、「米軍が日本に駐留しているのは、日本の防衛の為ではない。必要とあらば米軍が何時でも出動出来る為の前方基地である」、「にもかかわらず日本は米軍経費の75%を払ってくれている」と、日米安保の目的は日本の防衛ではないのに米軍経費を払う日本を嘲笑している。ターナー元CIA長官は「もしロシアが日本にミサイルを撃ち込んでも、アメリカがロシアに核攻撃をするはずがない」と日米安保第五条を否定している。親日家として知られるリチャード・アーミテージ元国務副長官は、「日本あるいは日本の行政管区内の領土に対するいかなる攻撃も、米国に対する攻撃とみなす」と言ったのは日米安保強化で中国、北朝鮮さらにはロシアに日米に対する脅威を高め軍産(兵器産業)の利益(日本への兵器販売)を考えたからだと回顧している。
日本でも元外務省情報局長孫崎享は「日米安保は日本利益(安全)を守るためにあるのではなく、存在意義は全くない。又集団的自衛権はアメリカが日本を戦闘に巻き込むのが狙いである」と述べている。
日米現職の公言と引退組の私言とどちらが本当なのか。
尖閣諸島周辺(日本の領土内)に中国の戦艦が侵入しても中国軍機が日本の領空侵犯しても、さらには北朝鮮のミサイルが日本の領海に飛来してきても米兵はテレビで野球を見ている。
前職の公言は建前、引退組の私言は本音であることが分かる。
私は何故日銀はFRBの日本出張所、財務省は米財務省の第四課と呼ぶのか。
戦後日本の対米隷属を根底から述べると共に、トランプ登場で日本はアメリカからどのように解放され、やがて日本を世界の中心に押し上げる世界の流れとは、「小冊子」Vol.104で詳しく述べる。

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