伸るか反るか

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7月15日の中国統計局の発表で中国経済の経済成長が7.5%に下がったことで中国経済に陰りが出てきたと言われている。
他の新興国も頼りの輸出減少と外貨の流出で景気が大きく後退している。
欧州経済はマイナス0.6%の下降修正で今年もリセッションから抜け出せない。
今のところ経済が好調なのは日本とアメリカだけかのように見える。
私は今発信中の「小冊子」(Vol.47)で「アベノミクスは短命」と述べている。アメリカのFRBはバランスシート(財務体質)からこれ以上国債保有を増やすと中央銀行としての資格問題が起きるから、アメリカ経済の好不況にかかわらず、金融緩和続行には限界が来ている。アメリカ経済が緩やかとは言え失業率が下がり消費が伸びているのは私が言う「金融資産から実体産業へのバトンタッチ」が住宅産業によって進んでいるからだ。
株価(NYダウ)は2007年7月の最高値14,800ドル台を突破し、15,400ドル台まで高値を更新しているが住宅価格はまだ2006年の高値からまだ25%低い水準である。金融から実体産業へバトンタッチは果たしたが実体産業のランナーはまだスタートしたばかりだ。ここで金融緩和が途切れるとランナーは走りだしても途中で倒れてしまいゴールは踏めない。年内であれ、来年であれいずれ金融緩和縮小と停止は決まっているので今後の金利上昇は避けられない。
すでに金利上昇を予測して住宅金融の伸びが止まり始めている。
アベノミクスは超金融緩和、財政出動、成長戦略でデフレ脱出、物価2%上昇目標のインフレ志向政策だが、成功してもしなくても「金利は上昇する」。
日本も金融資産の増大化に従って不動産資産(固定資産)が伸び始めてきたが、金利が上がればストップし、超金融緩和資金は日銀と金融市場の間を空回りするだけで、ただでさえ多い財政赤字を一層膨らますだけの結果に終わる。
こうして世界経済を見渡すと、いずこも「伸るか反るか」である。
ドルは国際通貨なのだからFRBは世界経済にも責任を持ちながら政策を決めるのが本来だが、アメリカの国益中心であることは過去の政策が証明している。
日銀と違って(日銀発行株式の55%は政府が持っているが合衆国政府は連銀株を1株も持っていない)アメリカのFRB(中央銀行)にはNY連銀の株主12行(Chase Manhattan、CITI、 N.A.、Morgan

Guaranty Trust、などユダヤ系銀行)の発言権がある。「アメリカの国益」と言ってもアメリカの国民や政府のためだけではない。こうした連銀の株主は(大きな意味で)ユダヤ資本の替え玉(代理人)なのである。
さて欧州勢が活動を始める前の数カ月は「伸るか反るか」を決めるのはFRBの株主である。ロボット役のバーナンキ議長発言は、9月が近くなると冴えなくなる。
いずれにしても現在好調な日米株価は短命で終わる!
日米中欧ともあまりにも多くの致命的問題を先送りし過ぎている。
先般「時事直言」へのご協力金をお願い致しましたところ、早速大勢の読者の皆様からお振込みを頂き誠にありがとうございました。
まだお振込を済まされていない皆様には、再度よろしくお願い致します。
贈呈させていただきます「特別レポート」の発送を9月20日過ぎにしたのは訳があります。丁度その頃私は欧州で、世界の市場にとって「決定的な情報」を得ることになっているからです。

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