トロイカ承知の上の「ドロボーに追い銭」!

私が予定した3月末の株式市場調整が小規模かつ短期間に終わりそうなので「世紀の大暴落」の時期が早まった、大暴落のきっかけは『外部要因』だと「ここ一番!」の読者に述べた。
外部要因の一つはギリシャ債務不履行問題である。
世界を騒がすどんな出来事もすべて「裏」がある。5年前(2010年5月)トロイカ(EU、ECB、IMF)はギリシャの緊縮財政(3年間で300億ユーロ削減)、年金カット、公務員増員・昇給据え置き、消費税増税(23%)等の履行とトロイカによる定期的財政監視を条件に1,100億ユーロ(約14兆円)の融資を決めた。
実はこの時トロイカ(特にEU)は「どんなに支援してもギリシャ経済が再生する可能性は皆無」と判断していたが、同時にギリシャも「いずれローマ時代からの通貨ドラクマに戻るが、EUを離脱すればユーロ圏経済が壊滅的打撃を受ける。だから融資の条件は何でも飲んで取れるだけトロイカから資金を取って、また4年後にEUから離脱するぞと脅かして連続融資を受ければいいではないか」と高を括っていた。
そこで今年になると融資条件を真っ向から否定するチプラス極左内閣が誕生、ギリシャは「盗人猛々しい本性」を露わにしてきた。
4億5,800万ユーロのIMFへの返済額の期日4月9日の前日チプラス首相はロシアに飛びプーチン大統領と会談、EUの対露追加経済制裁にギリシャが拒否権行使をするからロシアに短期資金の融資を頼むかのように演出してEUを脅迫。実はギリシャ経由のカスピ海原油・天然ガスのロシア迂回パイプラインとギリシャを欧州エネルギー・ハブ港にする計画についてロシアに将来の約束をするのが本命の話し。
現在欧州需要30%の天然ガスはロシアからウクライナ経由のパイプラインで渡っていることからウクライナ内戦は欧州エネルギー支配をめぐる争いである。
欧州は対露エネルギー依存を軽減するため「南エネルギー回路」(カスピ海・アゼルハイジャン、グルジア、トルコ、ギリシャ経由でイタリアに抜ける回路)を計画中。ギリシャはやがてウクライナと同じ欧州向けの最後のエネルギー中継地になる。ウクライナの親欧米派として知られながらチョコレート王としてロシア系マフィアのボスである正体を隠しているポロシェンコ大統領は欧米とロシアの両旦那を相手に見事な「芸者振り」を見せているが、ギリシャが目指すは第二のウクライナである。トロイカから借りられるだけ借りまくってやがてデフォルト(不履行)し、借金を踏み倒し無借金になってからEUを離脱しないでドラクマ通貨に戻り欧州とロシアを手玉に取ろうと考えている。
トロイカはここ5年間でギリシャをEUから追い出す準備を完了しているが「南エネルギー回路」の為切ろうに切れない。ギリシャはウクライナのように国土の30%をロシアに売るような手でなく、何時までもEUに泣きつきながら、事実上の欧州エネルギーを支配してどこまでも資金をむしり取ろうとしている。
アメリカ、サウジアラビア、ロシアが繰り広げるエネルギー争奪戦を睨みながらドロボー猫を演じようとしているギリシャ。
ところが気が付いてみたら中国という世界一の大旦那がギリシャに手招きをしていたという話し。面白いですよ!
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