トランプに狙われた安倍内閣

小泉内閣の時は首相が経済を丸投げした竹中平蔵氏がいた。安倍内閣には日銀の政策審議委員をリフレ派で固めさせた浜田宏一(イェール大学名誉教授)がいる。
竹中氏は当時のブッシュ大統領の対日要求(ハゲタカファンドに国民の貯金箱を渡す)に応える為小泉首相に郵政民営化その他の74本の法案を通させた。
浜田氏は、安倍首相に国会で「物価は貨幣現象なのです」と自分の口癖を言わせ、結果第一次アベノミクスは大失敗に終わった。
浜田氏は「物価は貨幣現象」の理論でノーベル賞を受賞した「天下のインチキ学者(ミルトン・フリードマン)」の信望者である。
金融緩和は経済が不況に陥った時の一時的カンフル剤であって病気を治す薬ではない。物価はモノとサービスの需給によってのみ上昇も下落もする。
いくら金融緩和をしても(いくら日銀が民間金融機関から国債を買っても)マネタリーベースM3(市場に出回る資金)が増えて回転率(Money’s velocity)が上がらないと経済効果はない(物価は上がらない)。
2016年10月現在のM3(マネーサプライ)の増加率は3.2%で2013年4月4日の異次元金融緩和前と変わっていない。日銀の緩和資金は日本経済にとっては「死に金」だったのである。一体何のための、誰の為の金融緩和だったのか。
2015年の緩和資金80兆円の内30兆円がアメリカに流れたことが財務省の発表で証明されている。2016年はまだ終わっていないが、最大手銀行である東京三菱UFJのデータを見ると総資金量298兆円の内、対米出資43兆円、米国債26兆円となっている。他の大手銀のデータを見ればさらにアメリカに緩和資金が流れていることが証明される。
2017年トランプ次期大統領は200‐300兆円規模のインフラ投資を国民に約束しているが財源は皆無。日銀の緩和資金だけが頼りである。
だからトランプ氏は世界のすべてのリーダーを差し置いて安倍首相と会談し、日本を持ち上げたのである。
浜田氏は最近テレビで「マイナス金利で邦銀はどうしたらいいのか」と聞かれた時すかさず「米国債を買えばいい」と本音を口にした。
竹中氏も浜田氏も純粋に日本の国益だけの観点から言えば「売国奴」。
しかし先進国はすべて潜在的財政破綻国家である。共倒れを避けるには誰かが誰かの為に犠牲にならなくてはならない。
戦後のドル基軸の下で今なお世界の金融システムの頂点に立っているアメリカ経済を犠牲にすべきか、それともアメリカ犠牲でローカル通貨の日本経済を救うべきか。アメリカがクシャミをすると日本は肺炎になるのなら日本を犠牲にしてアメリカを救わざるを得ない。ならば竹中氏も浜田氏も売国奴ではなくなる。
2017年日経平均は28,500円になって日本経済は超大バブルになるが、実はこれもアメリカ経済のための犠牲である。
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