またもやFRBと日銀の連携プレイ

アメリカ経済はピークアウト(頂点に達した)の観がある。
アメリカの失業率は最低(5.1%)で完全雇用に接近、平均世帯所得は年換算$55,794で2008年来最高、新築住宅件数は55.2万件(8月)で過去最高、自動車の販売台数は年換算$18.2M=1,820万台で過去最高。
先週金曜日に発表された雇用統計で8月が下方修正、さらに9月が20万人の予想に反し14.2万人であった為NYダウは前場で258ドル下げたが後場で460ドルも急騰し200ドルのプラスで終わった。
失業率は前回と変わらず5.1%であったことからNY株価急騰は雇用が減り始めたのは完全雇用に接近してきたサイン(兆し)と市場が受け止めたからと考えられる。

完全雇用、企業好業績、消費続伸、これに市場安定が加わればFRBの10月利上げの条件が揃う。
8月以来の市場の混乱は中国経済の為ばかりではなくイエレンFRB議長の発言の「曖昧さ」と「ブレ」にある。
9/17のFOMCで中国経済悪化やアメリカ以外の経済状況から「年内利上げ無し」と市場を思わせたと思いきや会合後は「年内利上げ確実」と発言する。
これ以上の市場の混乱を避けるためにもFRBはアメリカ経済がピークに達している今こそ絶好の利上げチャンスだろう。
FRBは他の政治的理由からも利上げを迫られている。
FRBはバランスシート(BS)の正常化の為2020年までに少なくとも3.5兆ドル(420兆円)の米国債を減らす必要がある。
方法は二つか、その両方:利上げで世界の外貨準備を米国債買い(自国債券売り)に向かわせるか、米国債最大の保有国の中国と日本に(政治的に)追加保有を求めるかである。米中首脳会談で期待の中国にアメリカの要求(米国債買い)を蹴られたので何でもOKの日本(日銀)に頼むしかなくなっている。
日銀はすでに総発行国債の30%も保有し、邦銀や公的機関は国債保有高は適正保有高を割るところまで来ているので追加緩和による国債買いは難しくなっている。
IMFは日銀に追加緩和を求めているが、要は「米国債を買ってやれ」というメッセージに他ならない。
本日の「ここ一番!」でも述べたが、安倍内閣改造人事(7日)に伴う新型三本の矢の宣伝効果を上げるため、日本郵政グループ上場(11月4日)を大成功に誘導、一気に株価を上昇させる必要上安倍内閣は日銀に追加緩和(30日)を強く求めている。
2013年4月4日の異次元金融緩和額は120兆円、緩和額年80兆円でスタートした。2014年10月31日の追加緩和は、1年半で120兆円を使い果たしたのでさらに1年分として80兆円の追加をしたに過ぎない。まるで突然の追加緩和として市場が大ショックを受けたのは黒田総裁の自作自演に過ぎず、実は通常の手続。本年10月30日で昨年10月の追加分80兆円がなくなるのでもう80兆円追加するのは既定の方針だが、買うのはFRBの要求通り米国債!
日銀は日本ではなくFRB(アメリカ)の日本支社であることをお忘れなく。

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〇10月5日(月) No.572 日銀の追加緩和(30日)は既成の事実!(ただし6‐7日の会合は現状維持)
〇10月1日(木) No.571 今後の株価
〇9月30日(水) No.570 欧州の衰退
〇9月25日(金) No.569 フォルクスワーゲンは一過性

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