「ここ一番!」ワールド・レポート第一部と第二部

世界の政治・経済の180度転換目前!

国連安全保障常任理事国(核保有5カ国)と核を持たないドイツの6カ国とイランとの核関連合意が7月14日に発表されたが、この合意の意味は甚大である。本合意により中東のアメリカの同盟国、サウジアラビアやカタール、アラブ首長国等は今後必ずしもアメリカとの同盟関係を維持する必要がなくなった。
アメリカにとって中東最大の問題はイラク内戦とこれに関連したISIS(イスラム国)である。本合意で両問題をイラン主導で解決させようという6カ国の意志が明確になった。今までシリア政府軍に対抗するためアメリカと共にサウジ等中東のアメリカの同盟国はISISをはじめ対シリア反政府組織を支援してきたがイランのシリア支援が続く限りアサド政権打倒は不可能であることが分かった。
一方ISISは勢力を急拡大、イラク政府軍とイラン派遣シーア派民兵は苦戦を強いられ、さらにサウジに対してまで攻撃を仕掛けるに至った。
今回のイラン核関連合意の盲点はIAEA(国際原子力機関)がイランの主権不侵害のため軍事施設を完全に査察出来ない点である。イランは6カ国との交渉が始まる前から核弾頭を製造するのに必要な約3,000の核濃縮機を軍事施設に移動している。イランはこの事実隠ぺいに成功と思い、アメリカは知らぬ振りをしたのが今回の合意。イランが5年後に相当数の核弾頭を保有することは確実でイスラエルはイランの核保有の証拠を公表してイランの総ての核施設と軍事施設を空爆する。テヘランが火の海になる前の5年間にイランの経済制裁を解除し中東におけるイラン勢力の拡大を図りイラン主導でシリア内戦とISISを壊滅させようというのが今回のイラン核関連合意におけるアメリカの真の狙いである。
現にイランは核合意後サウジや他のアラブ諸国とシリアとの和平条件に付き打診を開始、イランは近々国連安全保障理事会にシリア和平案を提出する予定である。アメリカと共に今までイランを敵視してきたサウジと他のアラブ諸国はアメリカの意向に従いイラン主導のサウド政権温存の下でのシリア和平案を飲む予定である。サウド政権敵視のトルコは自国人口の20%12を占めるクルード族が政権最大の不安定要因なのでアメリカがトルコの対クルード族弾圧を黙認する条件でイランのシリア和平案に従う。イランの軍事力を支えているのはロシアであり、経済制裁下のイラン経済を支えたのは中国であるから中東におけるイラン勢力拡大はロシアと中国にとって好ましいことである。すでにサウジアラビアはロシアと中国に接近、中国向け原油輸出代金はドルから人民元に切り替える予定である。2014年11月27日のOPEC総会においてサウジ主導で原油減産を見送り原油価格を80ドル台から一気に45ドル台に下げたのは、やがて中東産油国最大の競争相手になるアメリカのシェールガス・オイル生産業を叩く狙いもさることながら、アメリカの中小産油業者の資金調達がジャンクボンドと言われる信用度の低い社債に依存していることから原油価格暴落で社債金利を高騰させデフォルトに追い込むことで米債券市場を混乱に陥れドル信認を落とすのが真の狙いである。
私もユダヤ系ロビイストと共に8月24日の防衛会議で米上下両院の三分の二をイラク核関連合意反対に誘導するための考えを述べることになっている。
議会決議は9月後半だが三分の二が合意に反対すると思われオバマ大統領の議会決議に対する拒否権の発動は無効、アメリカだけが対イラン制裁を続けることになる。
欧州、中露がイランとの経済取引にドルを使おうとするとアメリカが制裁中の為NY連銀経由が出来ないからドルは使えず自国通貨になるからドルのシェアが落ちることになる。
ドル価格と反比例する金価格と対イラン制裁解除でイランの原油が市場に出回ることで変わる原油価格について「ここ一番!」の読者と今後の読者に「金価格の急騰時期」と「原油と資源価格の将来」について二部に分けてワールド・レポートをお送りする。二部のレポートを読めば同時に「NY暴落の時期」も分かる。

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