<時事直言>来るFOMC(11月3-4日)から何を察知するか

FRBの金融政策判断基準は物価(インフレ率)と失業率である。
FRBはリーマンショック後の2008年10月からの金融緩和以来2%の物価ターゲットを掲げてきた。
9月の物価は4.4%なのでターゲットを達成し過ぎている一方で失業率は4.8%で、コロナ前の3.5%にまだ届いていない。
FRBパウエル議長は今なお止まらぬインフレはサプライチェーン問題が解決すれば終息すると言うが一向に止まらない。
カリフォルニアではガソリン代が1ガロン$1.25から$3.40(270%)に上がり、車社会のアメリカの国民は悲鳴を上げている。
FRBが望む健全なインフレは経済成長に伴うものだが、現在のインフレはコロナ禍と言う、いわば事故によるものだからインフレを緩和縮小や利上げで押さえようとすると、せっかく回復に向っている経済を阻害する副作用がある。
FRBはアメリカの消費支出も鉱工業生産も下がっているので今年の経済成長率は2%台に落ち込むと予想している。
私はこうした経済下で緩和縮小が出来るのか疑問に思うのだが、市場は既にFRBは2022年6月までに現行の月額総額$ 120 billion(約13.6兆円)の国債($ 8 billion)と不動産担保証券($ 4 billion)購入総額を毎月$ 15 billion(約1.7兆円)ずつ減らすだろうと予想している。
又毎月決まった額を縮小するのではなくメリハリを持たせるとFRBの一部の理事は述べている。
今回のFOMCでは緩和縮小を決めて11月又は12月から実施するだろう。
株価にはマイナスだが、既に織り込み済みなので下げのインパクトは小さい。
日銀は相変わらず現状維持。
日銀は2020年までは年12兆円のETF購入枠で年最高7兆円、最低4兆円を使っていたが、今年はまだ1兆円にも満たない5,000億円プラスであることが公表されるまではドル高が続くだろう。(今年になって先進国中日銀ほど多額な縮小を実施している中央銀行はない)
市場にとって重要なことはFRBの縮小より利上げの時期である。
つまりFRBは何時「世紀の大暴落」の引き金を引くか、それが大問題なのである。
FOMCが終わった11月8日から始まる「増田俊男のインターネット国際政経塾」で詳しく述べる。
暴落に「世紀」という名を付けたのは、今世紀はNo bail out(救済無し)と言うことである。
Henry Paulson(ゴールドマン・サックスCEO後に米財務長官)がリーマンショックが始まった時に大手投資銀行とヘッジファンドのCEOを集めて「次の大暴落では一切救済(Bail out)がないことを銘記しておくように」と言ったのは、これから起きる大暴落のことを言っているのである。
だから今回の大暴落は奈落の底まで落とされて死ぬか、自力で這い上がるかしかないのである。
「備えあれば憂いなし」。
増田塾で真面目に勉強し増田一家として、命の次に大切な財産を救う方法を学んでいただきたい。

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