足かけ6年の旅を終えたFRB

(昨日より待望の「小冊子Vol.61」の発送を開始しました。)

2008年9月のリーマンショック後から始まったFRBのQE(Quantitative Easing =量的金融緩和)は三次(QE3)に及び、遂に今月(10月)終了する。
緩和総額$4 trillion(約400兆円)の大規模な緩和であった。
FRBの緩和戦略は、国債と住宅担保保証証券(MBS)を継続的に購入し、国債利回りを下げ、さらに政策金利をゼロに誘導することで借入コストを下げると同時に設備投資促進を狙いリセッション逆戻りを阻止しようとするものであった。FRBの大規模緩和については多くの議論がある。大量資金がFRBと金融市場を空回りし、金融資産と不動産資産のバブル化を起こしたに過ぎず、やがてバブル崩壊で「元の木阿弥」になると言うのが主な主張である。

では現実はどうであろうか。リーマンショック後失業率は急速に高まり、9.6%になったが今5.9%であるのを見れば分かる通り、リセッションで失われた失業を完全に取り戻している。NY市場は今日17,200ドルだから不況突入前2007年9月の高値13,895ドルより23.8% 高く、暴落時(2009年2月)の7,062ドルの2.44倍(244%)である。更にこれほど大規模な金融緩和にもかかわらずインフレ率は1.7%に押さえられている。
今回の不況の元凶であった投資銀行のCash flow(保有現金)は$800 billion(約80兆円)から$2.7 trillion(270兆円)に改善されている。

以上の現実を見る限り、FRBの緩和政策は成功したと言える。
FRBは緩和終了後も政策金利をゼロに接近させるが、国債購入を止めたから最早市場金利をコントロールすることは出来ない。またFRBは今まで抱え込んだ$4 trillion(約400兆円)の国債を何時どのように処分するかの問題が残る。
利上げは2015年6月、9月、年末などと市場に予想させる発言をしているがFRBの真意はどこにあるのか。
私は本日の「ここ一番!」で「FRBは2015年も2016年も利上げはしない」の述べ、その理由を明らかにした。

このようなFRBの完璧なまでの緩和政策の成功を目の当たりにして、一体世界の誰がNY市場の暴落など予測するだろうか。
果たしで増田の戯言か?

※現在小冊子Vol.61は完売御礼となりましたのでコピー版で送付させて頂いております。
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201410-Vol.61

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