円安不況

本誌でも述べたが、アメリカの小売業やレストランが大繁盛で関連株が高値追いとなっている。
最大の理由は7月104ドルであった原油価格が現在75ドルまで下落し、ガソリン代が4か月で3ドル20セントから2ドル70セントまで50セントも下がったためである。
アメリカは車社会と言われるが最近は日本も同様になりガソリン代の下落は家計に大きく影響する。
アメリカではガソリン価格が1セント下がると1 billionドル(1,180億円)家計支出が減る。4か月で50セントもガソリン価格が下がったのだからアメリカの家計の可処分所得(自由に使える資金)が50 billionドル(59兆円)増えたことになる。(日本の国家予算の50%以上)
当然アメリカの企業もエネルギー・コストが下がり収益を増やしている。
国民にとって大所得減税、企業も大事業税免税をうけたも同然である。

それに引き換え日銀は何をやっているのかと言いたい。
黒田追加緩和でとうとうドル・円相場は118円の超円安になってきた。
国民、消費者は円安の煽りで食料品高騰、中小企業どころか大企業までもエネルギー・コスト高騰で音を上げている。
物価を上げるために国民、消費者の(可処分)所得上げるアメリカ、国民、消費者の所得を奪って見せかけだけの正札価格を上げようとする日本(日銀)。
私の持論というか、当たり前のことだが、物価はモノとサービスの需給で決まるもの。物価を上げたいなら国民所得を増大化することから始めなくてはならない。

アメリカに資金を一極集中させるための日銀黒田超大緩和は日本ではなくアメリカを視点に置いた政策だから黒田総裁は自らの政策を「異次元緩和政策」と名付けたのである。次元が日本ではなくアメリカだと宣言したようなもの。
私は次回の「小冊子」(Vol.62)で黒田日銀がアベノミクスを崩壊に導くストーリーを克明に描くつもりである。
黒田日銀総裁は大臣ではないから、総選挙後の人事の影響は受けないが、安倍総理はこの「貧乏神」を駆除しないとアベノミクスどころではないことを知るべきである。

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