偽の通貨(Fiat Money)と偽の経済(Bubble Economy)

恩師舩井幸雄先生はすべからく「本物」がお好きであった。
今の日米欧経済はすべからく「偽物」である。
今日の経済を支えているのは経済が産み出した本物の資本ではなく、白紙に国が兆単位の借用書(国債)を印刷し、中央銀行が、これまた白紙に兆単位の通貨を印刷して新たに印刷された国債を買い続けることにより無価値の国債価格を吊り上げると同時に国債利回りを下げて市場金利をゼロに集約する。

では先進国がむやみに発行する国債に価値があるのだろうか。
日本の国債総発行高の財務省発表2014年GDP比は232%(小数点以下四捨五入)、アメリカ106%、英国110%、ドイツ83%、フランス116%、イタリア147% 。
いずれの国も毎年財政赤字で改善の余地も可能性もない。
債務のGDP比が最大、かつ財政健全化の夢も希望もない最悪の国が日本。
主権在民の民主政治の宿命国民迎合(ポプピュラリズム)で歳入が伸びないのに福祉予算ばかりを伸ばしてきた結果いずれの国の国債も潜在的債務不履行に陥ってしまった。
FRB主導の金融緩和とは不渡り手形に現金より高い価値を与えようとする政策である。
アメリカは奈落の底の一歩手前で偽金融政策を止めたが、日本と欧州は更なる金融緩和で景況感を煽り続け、止められなくなってしまった。

長年堆積されて出来た大氷山の雪崩で都市ごと海に押し流されようとしている。
氷山の表面(短期債)の重さが無くなって(マイナス金利になって)飛び去り、続々と深部へ離脱が進みやがて氷山は総崩れとなる。
ニセモノの風が氷山の表面を次々に剥がし、遂に大氷山総てが崩れる。

ニセモノの世界から二歩下がって本物の世界が戻って来るのを待つ時が来た。

大好評発売中!小冊子Vol.65 お申込みはこちら

Vol.65

コメントは受け付けていません。