世界をナショナリズム・孤立主義へ誘導するプロパガンダ(世論操作)

前回の「小冊子」(Vol.76)で、「世界は劇場で現実の政治も経済も台本と監督に従う役者の演技に過ぎない」と書いた。知っておかねばならないことは、作家に台本を書かせ、「芝居を現実」にするためのプロパガンダの目的と、すべてを指揮するのは誰かということである。
芝居の台本は概ね「平和と戦争」の二つのタイプで、ITバブル(平和)と崩壊の民主党クリントン政権(1993‐2001)、テロとの戦い・中東侵攻(戦争)・不動産バブルと崩壊の共和党ブッシュ政権(2001‐2009)と金融資産バブル(平和)と崩壊(2016年10月予定)の民主党オバマ政権(2009‐2017)に見られるように平和と戦争政権が交互に連なるパターンが定着している。
2017年以降8年間は言うまでもなく共和党戦争政権の時代になる。
中東におけるシーア派対スンニ派の軍事同盟化、アジアにおける中国の南沙諸島周辺人工島建設とミサイル基地化等によるアジア脅威の拡大、日中の尖閣諸島をめぐる論戦激化、ウクライナ等東欧におけるロシアとNATOの対立激化等々から、2月上旬ミュンヘンでの国際安全保障会議でロシアのラブロフ外相が「世界は1962年を思わせるような状況になってきた」と言うほど世界は冷戦に向かっている。(1962年とはキューバにソ連がミサイル基地を建設したためケネディ米大統領が臨戦事態を宣言、あわや米ソ核戦争かとなった年)
米大統領選では共和党候補トランプ氏の強いアメリカ、世界の警察官復活、移民追い出し等極右的、かつ孤立主義的発言が広く国民に支持されている。
フランスの地方選挙で極右政党が最高得票を得る等、フランスばかりでなく欧州全体で排他的ナショナリズムが台頭している。イギリスではEU(欧州連合)脱退派支持が優勢となり、ついにロンドン市長までEU離脱支持になった。
日本では7月の参院選で自民勝利、憲法(第9条)改正で専守防衛の自衛隊は自主的防衛の「軍隊」になり、アメリカに代わってアジアの軍事覇権で中国と対峙することになる、、などでアジアも冷戦に向かっている。
経済(市場)を見ると、日本も欧州もマイナス金利導入しているが期待された通貨安は通貨高になり、当然と思われた株高は逆に中暴落。7年半続いた金融緩和(平和)経済は最早無効、終わりを遂げようとしている。
旧軍閥の三菱重工と川崎重工がアメリカの後押しで豪州から潜水艦10隻の受注(5兆円=日本の年間国防費相当)を得ようとしている。
日本経済の牽引車が金融緩和依存のバブル産業から冷戦バックの軍需産業へ変わろうとしている。
世界の大河の流れが大きく方向を変えようとしている。
狡猾に計算しつくされたアメリカ発プロパガンダの仕業である。
作家に平和か戦争の脚本を書かせ興業の宣伝(プロパガンダ)を指示するグループ(?)に私が偶然(必然かも知れない?)関与出来るようになったことに驚きと責任を感じている。
紀元前8000年以来の人類(支配者)の目標はOne World(単一世界政府)であり、そのために平和と戦争の芝居を繰り返してきた。中国虚勢と世界二分化の為の日中対立誘導は既定の方針。私は奇想天外な戦略を防衛会議等で提案しようとしている。それは欧米にとって歴史的タブーであった日中同盟である。日中同盟による世界の東西二分断である。
ゼロ金利、マイナス金利は「登山の哲学」から「下山の哲学」に時代が変わったことの証明。やがて現金(貨幣とコイン)と信用が無くなり、減資、減配を競う時代になる。
こうした来るべき世界環境では、ハードの日中とソフトの欧米の対立、対決のほうがOne Worldには早道だと考えるからである。私の主張は日中で血を流さぬ為である。
遠い未来であるが、One Worldの盟主になる日本が歩むべき道は「東洋のスイス」でなくてはならない。スイスのように強い軍事力を持った中立国こそ今日本が向かうべき方向である。

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