ギリシャ危機の真実

かつて本誌で「ギリシャは北朝鮮並の政治国家」だと述べた。
北朝鮮がアジアの小国であるようにギリシャも欧州の小国でそのGDP(国内総生産)は欧州連合の3%にも当たらず、例えギリシャが国債デフォルト(不履行)でユーロ圏から離脱しても世界経済に与える影響は小さい。
ところが連日ギリシャ問題は世界のトップニュースになっている。
今日まで5カ月間も債権者トロイカ(IMF、ECB、ユーロ同盟国)と再支援の合意が遅れている原因は、ギリシャがトロイカから要求されている年金改革(削減)と財政削減等支援条件を拒否しているのと、直接、間接最もギリシャに支援し、トロイカで大きな発言力を持つドイツの金融大臣(Wolfgang Chaeuble)と何とかGrexit(ギリシャのユーロ圏脱退)を避けたい首相(Merkel)との間で意見対立があるからである。ギリシャのデフォルト(債務不履行)は、アメリカはもとより日本、中国等アジア経済に直接影響は少ないが、共同通貨ユーロの信頼が揺らぐばかりか第二のギリシャが後を絶たなくなる可能性が高いからユーロ圏としては、Grexitはどうしても避けたい。ギリシャはトロイカの弱みを突いて支援条件を受け入れず、さらに民間債権者(金融機関)にヘアカット(債務減免)を要求している。
明日月曜(22日夕刻)のギリシャ・トロイカ間の最終段階前の18日チプラス首相(ギリシャ)はロシアを訪問、プーチン大統領と会談しロシアのギリシャ支援を話し合ったが公式には否定(トロイカのギリシャ支援からの逃げを封じる為)、さらに2017年までに完成予定のロシアとカスピ海周辺国の天然ガスをトルコ、ギリシャ経由で欧州へ運ぶパイプライン建設の合意書に署名した。
やがて欧州エネルギー供給源の首根っこを押さえようとする意図。チプラス首相もプーチン大統領もしきりに両国は同盟国であるべきだと強調、ギリシャがユーロ圏メンバー(軍事的にはNATO)からロシア側に移ってもいいのかと圧力をかけた。時を同じくしてロシアは大量の戦車をロシア派の東ウクライナへ送り込み、さらに2014年3月に併合したクリミアに核施設建設と大陸間弾道弾基地を移動、アメリカの原油精製施設が集中するメキシコ湾を標的にしていると公言した。プーチン大統領はチプラス首相に「100万円借りた場合は借りた者の問題だが、100億円借りたら困るのは貸した方だ」と言い、「一切心配することはない、困るのはトロイカ側だ」と述べ、まるで労働組合の委員長のように「要求貫徹!」とチプラス首相を励ました。これでギリシャの勝ち!
マスメディアに出る世界政治・経済の表面〈大衆誘導情報〉と裏〈真実の情報〉については今回の「儲かる為の小冊子(Vol.69)」をご参照下さい。

増田俊男の「ここ一番!」大好評配信中!
現在、増田俊男の「ここ一番!」をFAX又はe-mailにて配信しております。
【最近の配信履歴】
〇6月16日(火) No.539 狡猾なFRBのダブル戦略
〇6月9日(火) No.538 まだ2万円台か?
〇6月8日(月) No.537 金利が総て
〇6月5日(金) No.536 Momentum第二

「目からウロコのインターネット・セミナー」お申込みはこちら

好評先行受付中!小冊子Vol.69 お申込みはこちら
『特集:日本の運命?!』
*日本に押し寄せる政治・経済の荒波
*通貨をめぐる米・中・欧・露の世界戦略
*アメリカのエネルギー世界支配戦略インサイダー情報
*終焉目前!株式・債権(金融資産)市場
*急務!資産分散:日本もアメリカも安全ではない!
*戦争、暴落、大不況で栄え続けるエリートに仲間入り。
*今あなたと日本の為にすべきこと
本体価格¥4,800〔消費税別〕
別途送料・手数料が掛かります。

「ここ一番!」お申込みはこちら

コメントは受け付けていません。