<時事直言>日本を「死に体経済」にした犯人は労働組合(連合)と連合支持政党(野党)

今朝の「ラジオもりおか」の放送で春闘(2ー3月)を前に行われた経団連十倉雅和代表理事と連合芳野友子新任会長との「労使フォーラム」と言う名の会合について述べた。
池田勇人首相が「所得倍増論」を打ち出した1960年代は日本経済が右肩上がりでGDP16%と言う驚異的な成長を遂げた時代であった。
当時は社会党と自民党勢力が拮抗していた為国会はしばしば混乱、表向き乱闘、裏では談合のいわゆる55年体制であった。
当時の労働組合であった「総評」(社会党支持)と「同盟」(社民党支持)は毎年の春闘で実力行使を伴う賃上げ闘争を繰り返しながら成果を挙げ続けた。
労働組合委員長を経験して衆議院議員であった浅沼稲次郎や佐々木更三が大活躍した時代であった。2人は労働者の権利を守り、賃上げを勝ち取る為、組合のデモの先頭に立って活躍し、又国会でも暴力(乱闘国会)も辞さず労働者の利益の為に戦った。
1960年10月12日、浅沼稲次郎が日比谷公会堂での演説の最中右翼の山口二矢(当時17歳)に殺害された時、全国の労働者はわが父を失ったように悲しんだ。
又当時の首相池田勇人(宏池会創始者、現会長岸田文雄)の浅沼稲次郎追悼演説は後世名演説と言われている。労働者の為に生涯を尽くした浅沼は与党からも最も尊敬された政治家であった。
浅沼が残したのは、東京葛飾のアパートの仏壇に置かれたコッペパン一つ。
1960年から1970年代労働組合と社会党、民社党、共産党は毎年春闘で賃上げを勝ち取り続けた。賃金の上昇率が物価の値上がりより大きかったので、1970年代のオイルショック、狂乱物価を乗り越え、GDPは年率4‐5%を保つことが出来た。正に労働組合のおかげであった。

今の連合が支持する立憲民主、国民民主さらに共産党に浅沼稲次郎や佐々木更三のような政治家がいるだろうか。
労使フォーラム(懇話会)など初めから経営者側と戦う気持ちがない。
連合は何故労働者の権利である賃上げ闘争をしないのか。
経営者がもし自ら進んで賃上げをしたなら株主に対して一種の背任行為となる。
だから経営者が株主に賃上げを正当化する為にも組合の暴力(スト)を伴う圧力が必要なのである。
私には今回女性を連合の会長に任命したこと自体経営陣と戦う気が無くなったのだなと感じられた。
私には芳野友子は、土井たか子とは似ても似つかぬ良識ある大学教授がお似合いのご婦人に映る。
連合は労働者の権利を無視し、怠慢によって26年間賃上げを勝ち取ろうとしなかった。長きにわたって賃上げが無かったことが日本経済を死に体にしたのである。
成長無き日本経済の責任は労働組合とその支持政党にある。

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第5章 よく言えば自然体の日本経済
第6章 世界支配の流儀を変える独占資本
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