日経平均は2024年初から6,320円上げて約5か月後の7月11日史上最高値42,224円を付けたが、7月11日からわずか14営業日目の8月2日ニッケイ平均は前日比2,216円下げ、最高値から約6,320円下げて35,909円で終わり、最高値からの下げ率は15%であった。
前日の8月1日も約1,000円下げたので二日で約3,130円下げたことになり最高値からの値下がり総額の50%になっている。
今回のニッケイ暴落は下記の背景がある
日銀が予想外に早く7月末の政策決定会合で追加利上げ(政策金利0.1%から0.25%)と緩和縮小(月額6兆円の国債買いを2026年第一四半期までに半減の3兆円にする)を決定したことによる「ショック」。
アメリカの雇用が市場の175,000人の予想を大きく下回る114,000人であったこと、失業率が4.3%と2021年来最高になったこと、さらに米製造業景況感数が6月の48.5%から46.8%に落ちたことから
米経済のリセッション不安が市場を駆け巡り(仕手の仕業)、ニューヨーク株価が大きく下げた。
FRBパウエル議長は7月のFOMCで利下げを見送ったが、その後9月の利下げを検討しているが、インフレが2%に達することの確信が持てるデータを待っていると発言した。
上記の米雇用統計と失業率は緊迫した労働市場が沈下していることを示すデータであり、一方米製造業景況感指数は景気の良し悪しの中間点である50%以下を続けてきたが、7月はさらに大きく下がりリセッションになりかねない時点である。
今回のデータからFRBはインフレ2%への下降が確実になると同時に、インフレ沈下の為にもうこれ以上実体経済を犠牲(製造業景況感50%以下で低迷)に出来ないことを認識することになった。
従って9月17‐18日のFOMCでFRBは間違いなく政策金利を現行5.50‐5.25%から最低0.25%、場合によっては0.5%下げるだろう。
さらに11月6‐7日、12月17‐18日のFOMCで続けて0.25%下げることになるだろう。
米市場では以上がコンセンサスになりつつあるので、来週からユーヨーク市場はリバウンドとなるだろう。
今日の東京市場のニッケイは、円が146.45円あたりの円高になっているので上値は重いが、ここ数日(2‐3日)のニッケイ急落は冷静さを欠いた狼狽売り連鎖の結果なので、もし今日冷静に戻れば先週の終わり35,920円(現物35,909円)に向かうだろうが、もし円が145円台までの円高になるとニッケイはさらに下がる可能性がある。
今回のニッケイ暴落が不合理(理性喪失)であることと来週のニューヨーク市場のリバウンド期待で上がる確率の方が高いと思う。
一日も早く東京市場の異常心理が正常に戻るのを待つしかない。
上記は「目からウロコの増田塾」の「本日の株式指南」(テキスト版)で述べたことである。
ニッケイは8月1日と2日で3,000円以上下げたがニューヨークダウは600ドル安であって上げ過ぎの調整でしかないのに何故ニッケイは大暴落したのか。
東京市場の外人仕手は、すでに織り込み済みの日銀の追加利上げと国債買いの減額を「ショック」だと煽り、さらにインフレ抑制には好都合でパウエルFRB議長が喜ぶデータをアメリカ経済リセッションの兆しだなどと騒ぎ立て日本の投資家を狼狽売りに追いやった。
だから今回のニッケイ暴落の原因となった異常心理狼狽売りの仕掛け人は外人仕手以外の何者でもない。
外人がニッケイの下げ幅を拡大すればするほど、今度は買い戻しによる上げ幅も多くなる。
外人に利用されるより利用した方が儲かるし、気持ちが良いのでは。
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