アメリカの内紛

アメリカの内紛とは、世界の警察官を「辞める」対「辞めない」の戦いである。
アメリカの指針とキングメーカーであるキッシンジャーとCFR(外交問題評議会)はトランプに「アメリカは最早世界の警察官ではない」と宣言させたが、まだ警察官として世界に君臨している軍産複合体は「トランプ降ろし」の手を緩めない。北朝鮮(アジア)もシリア(中東)もアメリカの内戦の縮図である。
日本のマスコミと官僚が「安倍降ろし」の手を緩めないのも「トランプ降ろし」と同列である。戦後アメリカは自由と民主主義(リベラル)を旗印にヒト・カネ・モノの国境をなくし、世界を規制なき「小さな国家」の下で高度経済成長達成に導いた。アメリカはドルを基軸とした国際金融体制の下で後進国や発展途上国経済を先進国化し続けた。アメリカは自由・民主主義の価値観をアメリカと共有する自由主義陣営の安全をアメリカの負担で保障、世界の警察官としての役割を果たしてきた。アメリカによって作られ、発展、繁栄、維持されてきた世界を「リベラル世界秩序」と言う。本年3月21日前記CFR会長リチャード・ハースが「リベラル世界の死」という論文を発表した。CFRは戦後アメリカの「世界の警察官の産みの親」である。世界の警察官の産みの親として守ってきた戦後の「リベラル世界秩序の死」を宣言したのだから正に「アメリカのターニングポイント」であり「世界変転の時来る」である。
トランプは、シリアでの化学兵器使用はトランプの米軍シリア撤退宣言を不可能にする為のCIA(米諜報部)とMI6(英国諜報部)の裏耕作であることを承知で悪魔(アサド)退治の演出で英雄になり中間選挙を有利に運ぶと同時に、「朝鮮半島核廃絶方式は(中国ではなく)俺の方式(一括妥結)に従え、さもなくばミサイルが飛んでゆくぞ」と金正恩と文在寅を脅した。OPCW(化学兵器査察団)によるシリア化学兵器使用真犯人情報でトランプは軍産を脅すことになる。
トランプも敵の軍産(マチス国防長官)も「今回のシリア空爆は完ぺきに遂行された」と敵味方双方絶賛するが、やがて軍産は最悪の選択をしたことに気付くだろう。

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